こんにちは!fummyです。
「小江戸川越」として有名な埼玉県川越市。モダンと大正浪漫が融合した蔵造りの街並みや、子供の頃を思い出す菓子屋横丁など、外人観光客からカップルまで様々な人々に人気の街です。
今回は軽い気持ちでフラっと川越に行ってきたわけですが、なんとも珍しい「醤油製造所」の現場を無料見学させてもらいました。
醤油は日本人に一番馴染のある調味料と言っても過言ではないですが、どんな風に作られているのかは知らない人がほとんどではないでしょうか?
30分程度の簡単な見学ではありましたが、醤油をぐっと身近に感じることができた楽しい経験となりましたので、今回はそのレポートをまとめてみたいと思います。
もくじ
川越で250年こだわりの醤油を作り続けている松本醤油商店
今回訪れさせていただいたのは松本醤油商店。なんと250年以上も続く老舗の醤油製造所です。
これだけ歴史があるとファンも多く、全国各地からのネット注文があとをたたないほど。
マツコデラックスさんもこの醤油店のファンだそうで、テレビ番組『マツコの知らない世界』で紹介された時は放送終了直後から注文が殺到し、すべての発送が終わるまでなんと3ヶ月の期間を要したというエピソードもあります。(注:この時はドレッシングが紹介されたそうです)
歴史ある建物にはこうじ菌や乳酸菌が染み付いている
製造所も明治時代に最初に建てられた木造の蔵を今でも使っています。その理由は、「長年使ってきたことで建物自体に酵母菌や乳酸菌が染み付いている。建物にこうした菌がいるからこそ美味しい醤油を作れるんです」とのこと。
松本醤油商店のように街のど真ん中に構える醸造所はなかなかないらしいのですが、この菌たちがいるから離れたくても離れられないのだそうです。
醤油はどのように作られるのか?
では、日本人に身近な醤油ですが、実際にはどのような行程で作られているのでしょうか?
醤油の原料は大豆・小麦・塩
最初は原料から紹介しましょうか。
醤油の原料は次の3つです。
- 大豆
- 小麦
- 塩
蒸した大豆・炒った小麦を混ぜて麹を作る
では実際の行程を紹介していきます。
醤油造りの第一歩は大豆と小麦から「麹(こうじ)」を作ることから始まります。
まず、大豆は麹菌の働きを受けやすくなるよう高温で蒸されます。また、小麦は炒って細かく砕かれます。この2つをまぜ合わせたものに麹菌をまぜると醤油のもととなる「麹」の出来上がりです。
醤油屋さんは納豆を食べられない?
ちなみに、麹を作る際には別の菌を入れることは厳禁なんだそうです。代表的なのが納豆菌。納豆菌が麹造りの段階で混ざってしまうとすぐに繁殖してしまって麹が納豆臭くなってしまうのだとか。
だから、昔から醤油職人は納豆を食べないと言われているそうです(実際には食べるそうですけどね)。
出来た麹に塩と水を混ぜると「もろみ」を作る
次は「もろみ」作りです。
先ほど出来上がった麹に塩と水を合わせてゆっくりと熟成させます。
この過程では乳酸菌や麹菌から生まれた酵素が麹菌を分解・発酵させていくので、旨味が急に増していきます。
時間がたてばたつほど色が黒っぽくなっていくのだそうです。
もろみを実際に食べてみた!
その出来上がった「もろみ」を実際に食べてみました!
見た目はこんな感じ。
ドロっとしていて醤油本来の濃厚な香りが漂ってきます。
気になる味のほうですが、旨味が凝縮されていてめちゃくちゃうまい!もちろんしょっぱいのですが「醤油ってこんなに旨味があったんだ」と一瞬固まってしまうほどの味でした。
ちなみにこれは2年熟成させたもろみだそうです。熟成に時間をかければかけるほど旨味は上がっていくとのこと。さすが2年ものは違いますな〜。
もろみを布で絞り液体だけを抽出
次はもろみを布で絞って液体だけを抽出する作業です。
写真は少し見づらいですが、このような布の上で圧力をかけながら絞っていき、液体だけを抽出します。
ここで出来上がった醤油が「生醤油」と呼ばれる
布で絞った液体は「生醤油(きじょうゆ)」と呼ばれます。なぜ生なのかというと加熱処理を施していないからです。ですので、生醤油は醤油本来の風味をフルに楽しむことができるということです。
生醤油は乳酸菌や麹菌の力が強い!
生醤油は加熱処理を施していないため乳酸菌や麹菌が生きたままの状態になっています。そのため、これらの菌の働きが強いので体にもいいのだそうです!
でも菌が含まれていると流通は難しいのだそう。実際に商店にそのまま足を運んで直接買うのが手に入れるための方法なのだそうです。
残った絞りかす(醤油粕)は牛の餌として利用
さてさて、醤油を絞るともちろんカス(粕)が残るわけですが、これは酒粕と違って人間は食べれないのだそうです。なぜならしょっぱいから。
多くの醤油製造所は醤油粕は廃棄処分にしてしまっているのだそうですが、松本醤油商店は群馬県の牧場に提供し、牛の餌として利用していただいているみたいです。
もともとは大豆と小麦ですからね!牛の塩分源としてもいいのだそうです。
加熱処理をして香りを整え殺菌したら完成!
さて、実際に商品を流通させるには加熱処理を施さなければなりません。また、加熱処理をすることによって醤油の良い香りも強まるのだそう。
加熱処理された商品はパッケージされて、ついに私たちの食卓に届くわけです。
松本醤油商店の4つのこだわりポイント
ここからは、ワンランク上の醤油を作り続ける松本醤油商店だけのこだわりポイントを4つお伝えいたします。
1.完全手作りにこだわった伝統の製造法を維持
松本醤油商店では、昔ながらの伝統の製法を今も維持しています。
現在は完全機械化で醤油を作るところもありますが、松本醤油商店は醤油職人が今も現役で活躍しています。自らの手と舌、そして5感をフルに使いながら微妙に変化する気温や湿度に毎度丁寧に対応しており、機械によるマニュアル的な製造では決して生まれない、まろやかで上品な醤油を製造しています。
2.クオリティを確保するために製造数を限定
現在は機械化が進み、作ろうと思えば製造数をグンと伸ばすこともできますが、松本醤油商店は一味違います。
利益も大事ですが、お客さんに美味しい醤油を届けることを第一に置き、製造数よりもクオリティを優先しているのだそう。まさに職人の仕事を追求しているのですね。
注文が殺到した時はすぐに発送できないことに歯がゆさを感じるそうですが、それでも美味しい醤油を届けてくれることに全国各地からのリピーターも多いのだそうです。
3.好みに合わせるため1年発酵物と2年発酵物を用意
松本醤油商店では、1年発酵物と2年発酵物の2つを用意しています。お客さんにとっては自分の好みに合わせた味を選ぶことができるということですね。
自分も2つ味比べをしてみたのですが、1年仕込みはあっさりとした感じ。2年仕込みのほうはやはりコクと旨味がギュッと濃縮された感じが強かったです。香りが強く松本商店らしい醤油を選びたい方はやはり2年仕込みのほうを買ったほうがいいかと思います。
4.安心の国産大豆と国産小麦のみを使用
外国の大豆や小麦を使ったほうがコストカットができる中、松本醤油商店では醤油の旨さを追求しているため、今でも国産の大豆と小麦を厳選して使用しています。
海外産の食品は昨今安全性が疑問視されていますので、我々としても安心して口にすることができますね。
意外と知らない醤油が持つ3つの効能
腸の調子を整えてくれる
醤油には微量ながら大豆から生まれたペクチン(水溶性食物繊維)が含まれており、腸の調子を整えてくれます。ペクチンは善玉菌のエサになるものですね。
また、生醤油にはそれ自体に乳酸菌や麹菌といった菌が含まれておりますので、私たちの腸の調子を整えてくれる強い味方となります。
抗酸化作用でガンを予防する
醤油の香りはフラノンという物質からくるものですが、このフラノンには強い抗酸化作用があることがわかってきました。
最近の研究では胃がんの発生率を1/3に抑えることができるとも言われています。
血糖値の上昇を抑えてくれる
醤油にはメラノイジンという色素成分が含まれていますが、このメラノイジンは血糖値の上昇を抑える働きを持っています。
松本醤油商店の醤油を実際に買って市販醤油と比べてみた
もう完全に松本醤油商店の醤油に惚れてしまったので、その場で醤油を即買いしてしました(笑)。
なので、せっかくなので今まで使ってた市販の醤油と比べてみようと思います。
比べてみたのはこの2つ。
上が松本醤油商店の「はつかり醤油」で、したがキッコーマンの「しぼりたて生醤油」です。
ぶっちゃけキッコーマンのこの醤油も結構おいしいと思うんですけどね。
早速味を比べてみましょう
コク・香り・旨味、圧倒的にはつかり醤油のほうが上!
結果は、はつかり醤油のほうがコク・香り・旨味が圧倒的に上でした(笑)。
なんでこんなに違うんだろはつかり醤油のほうは飲んだあとに鼻から抜ける香りがとってもいい香りなんですが、しぼりたて生醤油のほうは醤油の香りが少し弱いですね。
あと、旨味に関しても全く違いますね。味に奥行きがあるというか、しょっぱさ以外に感じる味が圧倒的にはつかり醤油のほうが強い。熟成されている感じがモロに感じます。これをコクっていうんですかね?
無料見学したい方はぜひ松本醤油商店まで!
ここまで、松本醤油商店の見学レポートでした!
レポート記事って結構難しいな〜。特に商品のレビューとか下手すぎてすみません(笑)。
松本醤油商店の製造所見学は無料で行なっています!川越で観光するならオススメのスポットですので、興味のある方はぜひ一度行ってみてください。
ただし、見学は時間が決まっているので注意です。詳しいことはこちらの公式HPでご確認ください!
以上松本醤油商店の製造所見学レポートでした!