潰瘍性大腸炎の症状は腸内フローラを改善することで緩和できる|誰でもできる腸内フローラの改善方法

潰瘍性大腸炎では、腸内フローラ(腸内環境)を整えることが症状の緩和や再燃の防止に役立つことがここ最近の研究によって明らかになってきました。

ところが、現在の基本的な治療方針は薬による対処療法であり、腸内フローラの改善を目的とした治療はまだまだ浸透していません。

では、患者自身で腸内フローラを整えることはできないのでしょうか?
実は、腸内フローラの改善は薬や病院の力に頼らずとも日常生活の中で改めることで可能です。

今回は、潰瘍性大腸炎と腸内フローラの関係性や、腸内フローラの改善の仕方について書いていきたいと思います。

なぜ腸内フローラを改善することで潰瘍性大腸炎の症状は緩和できるのか?

私たちの腸内には膨大な数の腸内細菌が住んでおり、その数は100兆個を超えるほどです。また種類も様々で数百種類を超えると言われています。

これらの腸内細菌はちょうど良いバランスを保つことで健康的な腸内環境を作りだしているのですが、潰瘍性大腸炎の患者の腸内細菌のバランスは乱れていることが多く、腸内環境は悪化しています。

この悪化した腸内環境を改善することによって、潰瘍性大腸炎の症状は緩和できるのです。
腸内フローラの改善が潰瘍性大腸炎の症状軽減につながる理由は以下の2つになります。

腸内環境が整うと免疫機能が正しく機能する

2014年に理研が発表した研究データによると、バランスの良い腸内環境では免疫機能が正しく機能しており、正しい免疫機能はバランスの良い腸内環境を作っているというプラスの連鎖状態にあることがわかりました。
逆に、腸内環境のバランスが悪いと免疫不全の原因となり、免疫系が正しく機能しないと腸内環境も悪化するという負の連鎖状態になってしまいます。
その結果、自己免疫疾患・炎症性腸疾患などの病気、まさに潰瘍性大腸炎のような病気を引き起こす原因となっているというのです。

潰瘍性大腸炎は自己免疫不全の病気であることはすでにご存知かと思いますが、腸内環境を整えることによってこの免疫系が正しく機能するようになり、結果として症状の改善にもつながります。

善玉菌が作り出す短鎖脂肪酸が潰瘍性大腸炎の症状軽減に効果を示す

また、同じく理研が2013年に発表したデータでは、善玉菌が作り出す短鎖脂肪酸の一種である「酪酸」が炎症抑制作用を持っている制御性T細胞を増やしていると突きとめました。

実際にマウスを使った実験では、腸に炎症を持っていたマウスに酪酸を多く与えたことによって制御性T細胞が増えて大腸炎が抑制されています。(参考サイト:理化学研究所

このように、腸内細菌の一種である善玉菌が短鎖脂肪酸を作り出すことによって炎症を鎮めてくれる細胞が正しく生産されるようになり、結果として大腸の炎症も治まるということです。

出典:http://cancer-treatment-with-diet-cure.doorblog.jp/archives/37808868.html

腸内環境を改善することとは腸内細菌グループのバランスを整えること

上記のように、腸内細菌のバランスを整えることで潰瘍性大腸炎の症状が軽減することは科学的に証明されてきています。

では、腸内環境はどのような状態に持っていくのが正しいのでしょうか?
その前に私たちの体にはどのような腸内細菌が住みついているのか知っておく必要がありますので、ここで勉強しておきましょう。

腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3グループに分けられる

私たちの腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌の3つのグループに分けることができます。
善玉菌や悪玉菌については聞き覚えのある方も大勢いるかと思いますが、日和見菌というのはあまり聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。

では、ひとつひとつの菌について解説していきます。

腸の健康をサポートする善玉菌

善玉菌は腸の健康を保つために欠かせない菌です。

善玉菌に分類されるのは、乳酸菌・ビフィズス菌・フェーカリス菌・アシドフィルス菌などになります。

これらの細菌は、

  • 免疫力のアップ
  • 消化・吸収の促進
  • ビタミンの合成
  • 病原菌の撃退

など、様々なプラスの効果をもたらしてくれます。

また、先ほども言った通り、腸内で短鎖脂肪酸を作り出して結果として炎症を抑えてくれる働きもサポートしてくれます。
さらに、善玉菌は悪玉菌の侵入や増殖を防止する働きももっているので、お腹の調子を総合的に整える力をもっています。

ちなみに善玉菌のように、健康効果がある細菌は「プロバイオティクス」と呼ばれています。プロバイオティクスの働きについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。

潰瘍性大腸炎の症状緩和にはプロバイオティクスが効果的!|正しい摂取方法とは?

2017.11.19

腸の健康を蝕む悪玉菌

続いては悪玉菌です。
こちらは腸の健康や私たちの体調を崩してしまう原因となる腸内細菌となります。

代表的なものは、病原性大腸菌・ウェルシュ菌・ブドウ球菌などです。

これらの菌は、

  • 腸を腐敗させる
  • 毒素を生み出す
  • 便秘・下痢の原因となる

など、様々なトラブルを生み出す原因となってしまいますので、悪玉菌の増殖はなんとしても防がなければなりません。

強いほうを味方する日和見菌

最後は日和見菌です。

こちらは、その時の腸内で強いほうの味方をする菌となります。善玉菌が優勢な時は善玉菌を、悪玉菌が優勢な時は悪玉菌を味方します。
なので、この日和見菌をいかに善玉菌の味方にさせるかが大事なこととなります。

善玉菌・悪玉菌・日和見菌の理想的なバランスは2:1:7

これらの細菌グループは常に自分のテリトリーを確保しようと争いを繰り広げています。そして、理想的な比率になった時、私たちの腸は最も健康な状態でいられます。

腸内細菌の理想的なバランス
善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7

このバランスがもっとも良いバランスです。この状態を保てるようなら、腸の健康も保証されます。

しかし、生活習慣やストレスなど何らかの原因で悪玉菌が優勢になってしまうと、腸内腐敗が進んだり有害物質が発生したりしてしまい、腸の不健康、さらには潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患・便秘や下痢などの排便障害・ガンなどの生活習慣病・老化など様々な病気を引き起こす原因となってしまうのです。

腸内フローラを改善するには善玉菌を増やす必要がある

上のような症状を改善・予防するためにも、腸内フローラは理想的なバランスに保たなければなりません。そのためには腸内の善玉菌を増やすことが大切です。

善玉菌の代表格と言えば乳酸菌やビフィズ菌。これらの菌は強力な整腸作用を持っているほか、悪玉菌の増殖を防止する力も持っています。

このように、乳酸菌やビフィズス菌が優勢な腸内環境を作ることによって腸内環境は改善され、つらい下痢・腹痛の症状も軽減されます。例えば、もう30分おきにトイレに行く必要もありません。「いつ便意がくるのか」と常に考える必要もなくなるでしょう。腸内フローラの改善がうまくいけば、このようなストレスから解放されるのです。

乳酸菌は食事から手軽に摂取できる

幸いにも、乳酸菌は私たちの身近な食材から摂取することができます。次に、どんな食材に乳酸菌が豊富に含まれているか見ていきましょう。

乳酸菌を豊富に含む食品

バックリというと、乳酸菌は発酵食品に多く含まれています。

ヨーグルト

これは定番中の定番です。ヨーグルトには豊富な乳酸菌が含まれています。ただし、ヨーグルトの種類によって乳酸菌の種類が違います。

潰瘍性大腸炎患者にオススメなのは、ビフィズス菌BB536が含まれている森永ビヒダスヨーグルトBB536です。なぜなら、このビフィズス菌BB536は潰瘍性大腸炎の症状を改善させる菌として有名で、実際に患者を使った実験でも証明されているからです。定番商品ですから、どのスーパーにも売っている商品だと思います。ヨーグルト選びに迷ったらこちらの商品を買ってみてください。

チーズ

チーズも発酵食品ですので、乳酸菌を含んでいます。ただし、プロセスチーズは加熱処理されているため、乳酸菌が死滅しています。生きた乳酸菌を多く含むのはナチュラルチーズですので注意してください。

漬物・キムチ

定食についてくる漬物やキムチも乳酸菌を多く含みます。特にキムチはヨーグルト並の乳酸菌を含んでいます。

大豆製品

日本の発酵食品の代表である納豆や味噌、それに醤油にも乳酸菌は含まれています。また納豆には納豆菌という善玉菌も含まれており、これが乳酸菌との相性がバッチリです。乳酸菌の働きを活性化する作用を持っています。潰瘍性大腸炎患者も安心して食べられる方が多いので、納豆はオススメする食材のひとつです。

乳酸菌は胃酸や熱で死んでしまうので注意

上記に乳酸菌を多く含む食材を記しました。これらの食材を摂取すれば乳酸菌の摂取はバッチリだと思うかもしれませんが、そうとも言えません。

実は、乳酸菌は胃酸や熱に弱く、胃でほとんどの菌は死滅してしまいます。また乳酸菌によっては体温で死滅してしまう菌もあるほどです。

なので、食事から乳酸菌を摂取しようと思っても、生きて腸まで届く菌は非常に少ないことに注意が必要です。

乳酸菌を無駄なく摂取するにはサプリがオススメ!

食べ物から乳酸菌を効率よく摂取することは難しいですが、サプリなら乳酸菌を無駄なく摂取することができます。その理由は以下の2つにあります。

カプセルが乳酸菌を胃酸や熱から守ってくれる

サプリメントの多くは、カプセルなどで乳酸菌を胃酸や熱から守る工夫がされています。そのため、乳酸菌を生きたまま腸まで届けることが可能です。
先ほども言いましたが、食事で乳酸菌を摂取しようと思ってもほとんどが胃酸で死滅してしまいます。そうした点をサプリならカバーできるので、乳酸菌が元気なまま腸に届けることができます。

食事では摂取できない膨大な乳酸菌が含まれている

サプリによっては食事で摂取できない膨大な数の乳酸菌を含んでいます。例えば潰瘍性大腸炎の治療で高濃度な乳酸菌を摂取させる場合がありますが、これに必要なのは1日に2000億個以上の乳酸菌の摂取です。

ちなみにヨーグルト100gに含まれる乳酸菌は約100億個。つまり1日に2kg以上の乳酸菌を摂取しなければなりません。

一方サプリなら1粒に数百億という数の乳酸菌が含まれているものもありますから、食事では摂取できないような高濃度な乳酸菌を摂取することが可能となります。

数種類の乳酸菌を含んでいる

乳酸菌は複数の種類をとることによって相乗効果が期待できるようになります。互いに影響しあって活性化し、よりパワフルな効果を期待できるようになるのです。

食事での摂取では1種類の乳酸菌しか摂取できませんが、サプリによっては数種類の乳酸菌を含んでいるものがあり、より高い効果を期待できるようになります。

得られる効果はサプリメントの選び方によって変わる

正しいサプリは潰瘍性大腸炎の症状緩和を強力にサポートしてくれます。ただし、どのサプリでもいいわけではありません。乳酸菌の量、含まれている乳酸菌の種類、胃酸で溶けない工夫。これらをすべて満たしている必要があります。

また、世の中の乳酸菌サプリは潰瘍性大腸炎の患者のためだけに作られたわけではないので、乳酸菌の量が足りなかったり、種類が少なかったり、なかなかいいサプリが見つからないのが現状です。

サプリの正しい選び方や潰瘍性大腸炎の患者のためだけに選んだサプリはこちらの記事で紹介していますので、詳しく知りたい方はクリックしてご覧ください。

潰瘍性大腸炎に負けない強い腸を作る!本当にオススメの乳酸菌サプリメント3選!

2017.11.03

乳酸菌のエサとなるオリゴ糖・水溶性食物繊維も摂取すれば効果が高まる

上記にて無駄なく乳酸菌を摂取するためのサプリを紹介しましたが、もうひとつ効果を高める方法があります。それは、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や水溶性食物繊維を一緒に摂取することです。

オリゴ糖や水溶性食物繊維は乳酸菌のエサとなります。そのためこれらを一緒に摂取することで乳酸菌自体が活性化し、よりパワーがつくのです。

また、冒頭で話した炎症を抑える短鎖脂肪酸は、善玉菌が水溶性食物繊維を分解するときに排出するものです。ですから、水溶性食物繊維を摂取することによってより多くの短鎖脂肪酸を腸内に生産することが可能となります。

乳酸菌を直接摂取するだけでも効果はありますが、オリゴ糖や水溶性食物繊維も一緒に摂取し、より高い効果を受けてください。

参考までにオリゴ糖や水溶性食物繊維を多く含む食べ物の一覧です。

オリゴ糖を多く含む身近な食材一覧

  • バナナ
  • はちみつ
  • 豆乳
  • きな粉
  • 大豆
  • 豆腐
  • ごぼう
  • たまねぎ
  • 味噌
  • 甘酒

水溶性食物繊維を多く含む身近な食材一覧

  • りんご
  • いちご
  • 洋梨
  • さくらんぼ
  • アボカド
  • 納豆
  • おくら
  • ひじき
  • わかめ
  • もずく
  • 昆布

これらの食材からオリゴ糖や水溶性食物繊維は摂取できます。また潰瘍性大腸炎患者でも安心して摂取できるものが多いので積極的に摂取するようにしてください。

乳酸菌のエサとなるオリゴ糖・食物繊維の優れた効果についてはこちらの記事で詳しくまとめています。ぜひご覧ください。

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まとめ

以上が潰瘍性大腸炎と腸内フローラの関係性についてでした。

この記事で説明したことを改めてまとめてみます。

  1. 腸内フローラが改善されると免疫機能が正常に働き、潰瘍性大腸炎の症状は緩和される
  2. 善玉菌が増えると悪玉菌の増殖は抑えられ、下痢や腹痛の症状は和らぐ
  3. 腸内フローラの理想的なバランスは、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7
  4. 乳酸菌の摂取は食べ物よりサプリで摂取したほうが効果が高い
  5. 乳酸菌と一緒に乳酸菌のエサとなるオリゴ糖・水溶性食物繊維も一緒にとると効果は高まる

今回の記事はこのようにまとめることができました。

腸内フローラの改善で潰瘍性大腸炎の症状が緩和されることは、近年最も注目されていることかもしれません。日本でも様々な研究が進み、新たな治療法も始められています。

ただし、腸内フローラは大げさなことをしなくとも自らの生活習慣などで改善可能です。

薬だけに頼らない新たな方法として、自らの腸内フローラを見つめ直しても良いかもしれませんね。

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