潰瘍性大腸炎でもカレーが食べたい時はどうする?辛いものはなぜ下痢になるなのか調べてみた

日本人にとってすっかりおなじみの食べ物となったカレーですが、香辛料や脂質が多いため潰瘍性大腸炎にはあまり良くありません。

そうした中、潰瘍性大腸炎向けのレトルトカレーも販売されており、このような商品なら比較的安全にカレーを食べることができます。

また、カレーがなぜ潰瘍性大腸炎に悪いのかが理解できれば、オリジナルのアレンジカレーを作れるようにもなるかもしれません。

そこで今回は、潰瘍性大腸炎向けに販売されているカレーのレビューと、カレーがなぜ悪いのかを書いていきたいと思います。

潰瘍性大腸炎の食事指導に沿って作られたレトルトカレーがある

潰瘍性大腸炎患者なら結構知っている人も多いかと思いますが、「まんぞく君」というレトルト食品のシリーズがあります。

こちらのシリーズでは、すべての商品が潰瘍性大腸炎やクローン病の食事指導の内容に沿って作られており、カレーやラーメンといった普段食べられないようなメニューも安心して食べられるのが特徴です。

まんぞく君からはチキンカレーが販売されており、どうしてもカレーを食べたい時にはこちらの商品にチャレンジしてみるのもいいかと思います。

まんぞく君のカレーは脂質や刺激物が少ないので安心

気になるのが、実際の栄養成分値だと思いますが、以下のようになっていました。

エネルギー タンパク質 脂質 炭水化物 食物繊維 食塩相当量
110kcal 5.9g 3.9g 12.8g 2.3g 2.0g

特徴としては、脂質が抑えられていることです。また、使っているオイルもMCTオイル(中鎖脂肪酸)という炎症悪化のリスクが少ないオイルを使っています。肉も鶏むね肉(皮なし)ですので、脂身の少ないお肉が使われています。

スパイスも腸への刺激が少ない特性スパイスですので、そのあたりも安心ポイントですね。

まんぞく君を食べてみたい方は、公式サイトやamazonから購入可能ですので、ぜひ一度ご賞味ください。

潰瘍性大腸炎ではカレーはなぜダメなのか?

ここからは、潰瘍性大腸炎ではなぜカレーがダメなのか、その理由をまとめてみたいと思います。

香辛料を多く含んでいるから

当然ですが、カレーには香辛料が含まれています。後述しますが、この香辛料が下痢や炎症の悪化を促してしまいます。

脂質が多いから

市販のカレールーは、30〜40%が脂質でできています。つまり、結構脂質の量が多いです。もちろん脂質の取りすぎは下痢を誘発してしまいますので、潰瘍性大腸炎では脂質量は控えるべきとされています。

油の質がよくない

一般的なカレールーの油は、動物性脂肪やパーム油などが使われている場合が多いです。これらの油は潰瘍性大腸炎ではあまり摂取しないほうがいい油と言われていますので、カレーがよくない原因のひとつにあげられます。

辛いものを食べると下痢になるメカニズムとは?

では、辛いものを食べると、なぜ下痢になりやすくなるのでしょうか?

カプサイシンが腸の蠕動運動を高める

カプサイシンとは、辛味成分のひとつで唐辛子などに多く含まれます。このカプサイシンを摂取すると、人間の体は交感神経が高まってしまいます。

交感神経とは、自律神経のひとつであり、主にストレスを感じた時や緊張状態、または興奮状態になった場合に高まる神経のことです。この交感神経が高まると、胃腸の働きは抑えられるほか、腸の蠕動運動が活発になります。つまり、便を排出しようとする力が高まり、便が大腸に止まる時間が短くなるということです。

一見体に良いように思えますが、便が大腸を通過する時間が短いと、便の水分が十分に吸収されないため、結果として下痢になってしまいます。

香辛料は胃や腸を荒らし消化を妨げる

香辛料は刺激物ですので、胃や腸にダメージとなります。結果として消化も十分に行われなくなり、下痢になってしまうのです。

私たちの粘膜は非常に敏感なのですが、残念ながら胃や腸には痛覚がありません。ただ、香辛料を目のや鼻の中に入れるとどうなるか。考えてみただけでもゾッとしますよね。そういうことです。香辛料は知らない間に胃や腸の粘膜にダメージを与えていますので、健康な方も摂りすぎには十分注意が必要です。

カプサイシンのダメージを抑えるには牛乳やヨーグルトが効果的

カプサイシンのダメージを抑えるには、牛乳やヨーグルトが効果的と言われています。

というのも、乳製品に含まれるカゼインというタンパク質が粘膜をコーディングしてくれ、カプサイシンの刺激を和らげる効果があります。また、カプサイシン自体ともくっついて、辛味自体を和らげる効果も持っています。

考えてみると、インド料理店ではカレーと一緒にラッシー(飲むヨーグルト)を一緒に飲みますが、これは理にかなっている組み合わせということだったんですね。

このように、カプサイシンのダメージには牛乳やヨーグルトが効果的です。ただし、潰瘍性大腸炎患者の中には乳糖不耐症の方もいらしゃるため、牛乳よりはヨーグルトのほうがオススメです。ヨーグルトは発酵する過程で乳糖がある程度分解されているため、乳糖不耐症の方でも比較的安全に摂取できます。

水を飲むのは効果なし

ちなみに、辛いものを食べるとガブガブ水を飲む方がいらっしゃいますが、これはあまり効果がありません。カプサイシンは水に溶ける成分ではないため、水を飲むことによってかえってカプサイシンを拡散させてしまいます。また、胃酸の濃度も薄めてしまいますので、結果として逆効果になることもありますので注意してください。

2日目のカレーは雑菌の温床なので食中毒に注意!

よく、「カレーは一晩寝かせた方がおいしくなる」と言われますが、2日目のカレーには食中毒の原因となるウェルシュ菌が繁殖していることもありますので、できれば食べないほうがいいです。

ウェルシュ菌は、結構どこにでもいる菌で、カレーの材料にも付着している場合があります。

また、100℃の温度の中でも6時間くらい生きられる強さを持っており、カレーを作る過程の中でも生き延びている可能性があります。

ウェルシュ菌は、増殖する過程で毒素を出すため、それが食中毒の原因となります。

潰瘍性大腸炎は食中毒が再燃のきっかけとなるとも言われていますので、できるだけリスクのある食べ方は避けましょう。

まとめ

以上、潰瘍性大腸炎とカレーの関係についてでした。

やはり、調べてみるとカプサイシンは潰瘍性大腸炎には良くないことが改めてわかりました。寛解期に多少摂取する程度なら問題ないかと思いますが、あまり激辛なものを摂取しすぎると、健康な人でもダメージを受けてしまうため、摂取はほどほどにしておくのがいいかと思います。

また、まんぞく君シリーズのようなレトルト食品がこれからもどんどん増えてくれると嬉しいですよね。潰瘍性大腸炎だけど大学に通うために一人暮らしをしている、なんて人はたくさんいるかと思います。そんな状況で、安心して食べられるレトルト食品があると心強いです。

カレーをどうしても食べたくなったら、カプサイシンなどの辛味成分なし、また脂質が抑えめにしてあるオリジナルカレーを作るのもいいかもしれません。

とにかく、潰瘍性大腸炎は一人一人の個人差が大きい病気ですので、自分のペースや、自分が弱いポイントを抑えて食事をすることが大切ですね。

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