こんにちは。管理人のfummyです。
自分は潰瘍性大腸炎という病気を患っています。
発症したのはもう10年も前。今年(2017年)で11年目です。
「この先どうなるのか」
「ちゃんと仕事につけるのか」
「好きなものも食べられなくなってしまうのか」
「もしかしたら死ぬのか」
このような不安がよぎる方も少なくないと思います。自分もそうでした。
しかし、結論から言えば、潰瘍性大腸炎でも普通の生活は送れます。なぜなら、UC患者である自分が普通の生活を送っているからです。
このブログでは、UC(潰瘍性大腸炎)歴11年目である私の経験や知識を書いていきたいと思います。ほんの少しでも潰瘍性大腸炎患者の勇気になれば、そして寛解を信じて治療を行なう力になってくれれば嬉しいです。
もくじ
潰瘍性大腸炎は特定疾患(難病)に指定されている
潰瘍性大腸炎は、特定疾患に指定されている病気、つまり難病です。
難病という言葉のインパクトに驚く方も多いですが、惑わされてはいけません。
治療や時間経過と共に症状が良くなっていく人のほうが多いです。自分もそうでした。
余談ですが、潰瘍性大腸炎は英語ではUCと書かれることが多いです。結構見かける用語なので、ここで覚えたほうがいいと思います。
原因は解明されていない
潰瘍性大腸炎になる原因は未だに解明されていません。食生活の欧米化、自己免疫不全、腸内環境の悪化、ストレスなどが挙げられていますが、実際のところは不明です。
患者数は急激に増加している
日本での潰瘍性大腸炎の患者数は急激に増加しています。
まずは以下のグラフをご覧ください。
少し古いデータになってしまいましたが、2014年の段階で17万人を超えています。
これからも患者の数はどんどん伸び続けるでしょう。
患者数の増加で様々な情報が行き交うことには注意が必要
持論になりますが、患者数が多くなるということは、それだけさまざまな情報も出てくるということです。正しい情報も出てくれば、間違った情報も出てくるようになります。
それに対しては、自分の情報リテラシーの力を挙げて、変な情報に惑わされないようにしたいですよね。
若年層がなりやすい
潰瘍性大腸炎の発症年齢分布をとると、30歳ぐらいまでの間にピークが認められます。つまり若年層がかかりやすい病気だということです。筆者も19歳で発症しました。
ただし、高年齢で発症する人もいるので、何とも言えないところです。
再燃と寛解を繰り返すことことが特徴
潰瘍性大腸炎の大きな特徴は、再燃と寛解を繰り返すことです。
潰瘍性大腸炎には完治はないと言われており、多くの患者が再燃(症状がある)と寛解(症状が落ち着いている)を繰り返しています。
そのペースには個人差があり、何年という期間も寛解を維持している患者もいれば、何週間かで再燃してしまう患者もいたりと様々です。
ただし、すべての患者が再燃と寛解を繰り返しているわけではありません。中には薬も飲まずとも何十年と寛解を維持されている方もいます。
潰瘍性大腸炎は症状の個人差が大きい病気ということを覚えておいてください。
症状の経過によって4つのタイプに分類される
潰瘍性大腸炎は、どのような経過をたどるかによって4つタイプに分類されます。
再燃寛解型
潰瘍性大腸炎では、この再燃寛解型がの患者が最も多いです。その割合は全体の約80%にものぼります。再燃と寛解の頻度や度合いは個人差があるので何とも言えません。ちなみに筆者もこの型です。
初回発作型
初回の発作のみで、その後の症状は見られないタイプです。全体の10%前後を占めています。
慢性持続型
初回発作から6ヶ月経過しても寛解しない場合はこのタイプに分類されます。患者全体の10%を占めています。
急性劇症型
急性劇症型は初回発作から急に症状が悪化するので、ほぼ例外なく入院を余儀なくされます。稀にこのタイプの症状の人がいるそうです。
病変の部位による3つのタイプもある
症状の経過以外にも、病変部位によって3つのタイプに分類されます。
直腸炎型
大腸の炎症が直腸にだけとどまっているタイプです。軽症がもっとも多いタイプではありますが、治りにくい症例も確認されています。
直腸炎型のタイプには盲腸付近に飛び地のように炎症がみられる場合もあります。
左側大腸炎型
炎症の範囲が直腸から下行結腸までのタイプです。潰瘍性大腸炎で一番多くの割合が占められています。
全体腸炎型
炎症の範囲が大腸のほとんど全体に広がっているタイプです。全体腸炎型の患者は症状が重いケースが多く、また重症化や難治化が起こりやすいです。患者のQOLが著しく損なわれる場合は手術による外科的療法で大腸を摘出することもあります。
もちろん炎症が全腸全体まで広がると結構症状も辛くなってきます。
筆者は一時期全大腸炎型までなりましたが、今はほぼ肛門の炎症のみ直腸炎型までおさまっています。全大腸炎までいったとしても、ここまでよくなることは十分にありえます。
潰瘍性大腸炎は他の病気を排除しながら確定診断される
潰瘍性大腸炎は、他の病気の可能性を排除しながら確定診断されます。
なぜそのような方法をとるのかというと、同じ症状が見られる他の重大な病気と区別するためです。
なので、潰瘍性大腸炎が診断されたあとに、もしかしたら「ガン」なんじゃないかなど考えなくていいです。お医者さんはその可能性を排除して進めています。fummyも最初のうちは謎に不安になってましたが、今考えるとムダでした(笑)。
さて、検査方法は以下の通りです。
慢性の粘血・血便などがあり本症が疑われるときには、 放射線照射歴、抗生剤服用歴、海外渡航歴などを聴取するとともに、細菌学的・寄生虫学的検査を行って感染性腸炎を除外する。次に直腸あるいはS状結腸内視鏡検査を行って本症に特徴的な腸病変を確認する。このさい、生検を併用する。これだけの検査で多くは診断が可能であるが、必要に応じて注腸X線検査や全大腸内視鏡検査などを行って、腸病変の性状や程度、罹患範囲などを検査し、同時に他の疾患を除外する。
出典:潰瘍性大腸炎・クローン病・診断基準・治療指針
主な症状は腹痛・下痢・血便・粘液便
潰瘍性大腸炎の主な症状は、腹痛・下痢・血便・粘液便などです。ただし、必ずしも全部が当てはまるわけではありません。
個人的な経験で言えば、便秘と下痢を繰り返す・発熱なども発症当時はありました。
また、重症化してくると、貧血、激しい下痢などが認められます。
予後良好だがガン化に注意
潰瘍性大腸炎を患ったからといって寿命が短くなるようなことはありません。
一方で、大腸ガンのリスクは上がります。発症から7〜8年ぐらいで大腸ガンを併発する人も中にはいるようです。
きちんと内視鏡検査を1年に一回受け、定期的に検査していくことで早期発見にもなりますし、内服薬のアサコールを正しく飲むことが、ガンのリスクを低下させると発表されています。
潰瘍性大腸炎には対処療法が用いられる
潰瘍性大腸炎には完治という概念がないため、出ている症状を抑えることを目標に治療が行われます。これを対処療法と言います。
潰瘍性大腸炎には主に服薬で対処する
潰瘍性大腸炎の治療は主に服薬で対処します。
アサコールやペンタサが代表的であるメサラジン(5-ASA)系薬剤を使った治療、そしてステロイドを使った投薬治療が基本線になります。
メサラジンで効果を実感できなかった患者ではレミケードといった点滴治療を行う場合もある。ただし、感染症への免疫力が低下することなどの副作用も存在するので、投薬には十分な理解と注意が必要です。
筆者は投薬治療しか行ったことがありません。今飲んでいる薬は「アサコール」という薬です。比較的新しい薬なのですが、この薬に代えてから症状が劇的に改善しました。(※ちなみに以前は「ペンタサ」という薬を飲んでいました)
相性の合う薬にも個人差があるようなので、お医者さんと相談してみるのもいいかもしれません。
重症化すれば大腸を全摘出手術が行われる
大腸全摘出手術は、症状が深刻な場合・重篤な合併症が見つかった場合・患者のQOLが著しく低下している場合・ガンが見つかった場合などに行われます。
大腸全摘出手術を行うとトイレの回数が多くなる(1日5回程度)傾向にありますが、潰瘍性大腸炎の症状から解放されるという強烈なメリットがあるため、手術を選択する患者も少なくありません。
個人差が大きい白血球除去療法
白血球除去療法ですが、これは自分の血液の白血球を特殊な機械で取り除くという治療法です。
上の写真のように、自分の血液を機械を経由して循環させます。この機械の中で白血球が取り除かれて自分の体に戻されるという仕組みです。
投薬治療と違って副作用が非常に少ないこともメリットとしてあげられます。
ただ、この治療法は一定の効果が望めるかどうかは個人差が大きいとわかっています。効かない人にはほとんど効果は望めません。
潰瘍性大腸炎向けのレシピは多い
潰瘍性大腸炎と食事の関係は少なからずあるという見解が多いですから、潰瘍性大腸炎向けのレシピを扱ったサイトや本はかなり多いです。
「潰瘍性大腸炎 レシピ」と検索すると、クックパッドでもUC患者向けに作られたレシピが結構出てきます(クックパッドの潰瘍性大腸炎レシピページへ行く)。
また、筆者は発症当時はこの本を買いました。
社会保険中央総合病院の栄養指導専門員・東京医科歯科大学臨床栄養部副部長などを勤めていらっしゃる斎藤恵子さんの「安心レシピでいただきます!」です。
脂質がほぼなしのしらすパスタのレシピが載っており、それを作って食べていたのを覚えています。
潰瘍性大腸炎の食事療法は10年前とほとんど変わっていません。
今でも十分役立つ本だと思いますので、ご興味のある方はぜひ手元に置いてほしい1冊です。
食事や油のことに関しては別の記事でも書いていますので、ぜひそちらもご覧になってください。
さいごに
潰瘍性大腸炎についてはまだまだ伝えたいことがたくさんありますが、今回は基礎知識を大まかにまとめました。
潰瘍性大腸炎は、決して怖い病気ではないです。
いつか必ず症状が良くなってくる日はきます。
症状が良くない時は、辛抱の時期です。
筆者のように、何事もなく普通の日常を過ごせているという人はたくさんいます、
このブログが、今不安になっている人に少しでも力になれることを祈って、今日の記事は締めたいと思います。
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