当記事は喫煙の習慣を進める意図は決してありません。くれぐれも自己判断のもとの閲覧をお願いいたします。
「喫煙は潰瘍性大腸炎を予防し、炎症を抑制させる」
こんな噂を聞いたことはありませんか? 筆者は潰瘍性大腸炎になってから10年以上も経っていますが、このようなことを聞いたのは初めてです。
しかし、タバコが潰瘍性大腸炎の予防効果があることは古くから言われていたそうです。実際にニコチンの効果を検証した実験まであります。
今回は、潰瘍性大腸炎とタバコの関係について書いていきたいと思います。
もくじ
喫煙は潰瘍性大腸炎を予防している?
たばこは「百害あって一利なし」「万病のもと」なんて言われ方をよくされますよね。しかし、唯一潰瘍性大腸炎を予防する効果があるようです。
潰瘍性大腸炎患者はタバコを吸わない人がなりやすい
例えば、1982年にハリスによってこんな研究が発表されています。
健康な者と潰瘍性大腸炎患者を比較した場合、健康な者は44%が喫煙者だったことに対して、潰瘍性大腸炎患者は8%。さらに、タバコを一度も吸ったことのない人は健常者が36%に対し、潰瘍性大腸炎患者は48%、禁煙者も健常者20%に対して潰瘍性大腸炎患者は40%という結果となりました。(参考:NCBI)
健常者 | 潰瘍性大腸炎患者 | |
タバコを吸っている人 | 44% | 8% |
タバコを一度も吸ったことがない人 | 36% | 48% |
禁煙している人 | 20% | 40% |
つまり、このデータだけをみると、タバコを吸っている人のほうが潰瘍性大腸炎にかかりにくいということが示唆されるということです。
ニコチンが潰瘍性大腸炎の症状を緩和させる?
しかしながら、なぜタバコは潰瘍性大腸炎に効果を示すのでしょうか?
これまでの実験の結果、どうやらニコチンに潰瘍性大腸炎の炎症を抑える効果があるようです。
ニコチンパッチで症状緩和が認められた実験
アメリカの医学誌の権威である『ニューイングランドジャーナル』ではこんな論文が発表されています。
潰瘍性大腸炎で72人の患者ランダム化して、二重盲検試験で6週間経皮ニコチンパッチ、またはプラセボ(本当はニコチンのない)パッチのいずれかで治療しました。結果、プラセボ群では37人の患者のうち9人が症状が軽快、ニコチン群では35人の患者のうち17人が症状が軽快した
つまり、擬似的なニコチンパッチでは約4人に1人の患者しか寛解しなかったのに対し、本当のニコチンパッチだと約半分の患者が寛解しているということです。
しかし、ニコチンパッチは少なからず副作用がでてしまうとのことで、正式な治療に導入することはありませんでした。
他の病気になることを考えると喫煙しないほうがいい
たとえタバコが潰瘍性大腸炎に効果的だったとしても、他の病気になるリスクを考えるとタバコは吸わない方がいいと思います。
タバコは例えば以下のような病気になるリスクを高めます
- がん
- 動脈硬化
- 脳卒中
- 大動脈解離
- 大動脈瘤
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 喘息
- 肺炎
- ED
- 不妊
- 早産
- 2型糖尿病
- 骨粗そう症
これはあくまでも一部であり、他にも様々な病気になるリスクを高めます。また、がんや脳卒中は命に関わる病気でもあるため、これらのリスクは抑える方が賢明です。
また、タバコは依存性が強く、一度始めてしまうとなかなか辞めることができません。タバコを吸ってもいいことは一つもないとよく言われますので、タバコは絶対に吸わない方がいいでしょう。
まとめ
最後に、この記事で書いたことをまとめたいと思います。
- 潰瘍性大腸炎患者はタバコを吸っていない人がなりやすい
- ニコチンが潰瘍性大腸炎の炎症を抑えるとの研究が発表されている
- 他の病気になるリスクを考えるとタバコは吸わないほうがいい
以上が本記事のばっくりとした内容になります。
しかし、タバコが潰瘍性大腸炎に効果を示すとは面白いテーマでしたね。
タバコを吸うか吸わないかは自己責任になりますので、とやかく言う筋合いはないと思いますが、できる限りタバコは吸わない方がいいでしょう。
また、ルールを守ることも大切です。喫煙が禁じられているところで吸う方もたまに見受けられますが、迷惑に感じている方もいます。
ポイ捨ても当たり前のように行われますが、絶対にダメです。
ルールとマナーを守って、正しい喫煙ライフを送るようにしてくださいね。
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